シャセリオー展 5/23

 西洋美術館で開催中のシャセリオー展に行ってきた。

 西美の前の看板の肖像画が美しく、行かなくてはと思いつつまた終盤間近になってしまった。

 シャセリオーという名前も、また作品を観るのも今回初めて。アングルの弟子ということで、写実の上手な画家だろうとは思っていた。やはり天分の才に恵まれたことは16歳で描いた作品の素晴らしいこと、ピカソの幼少の頃の作品もそうだが、10代ですでに絵の才能をこれほど発揮していれば周りの評判は凄かったに相違ない。

 実際シャセリオーの師アングルから期待され、シャセリオーの影響を受けた画家にモロー、ドラクロア、シャバンヌ、クールベなどそうそうたる画家達がいる。モローはシャセリオーの壁画を見て美術学校を辞めてしまったと。

 肖像画はモデルから気に入られ大切に所蔵されたと、特に当時有名人との交際でも有名な美女の

をモデルに描いた泉のほとりで眠るニンフの見事なこと、ゴヤのマハのようにスキャンダルもあるのに、ゴヤほど有名でないがこれからもっと有名な絵になるのでは。

 神話や聖書を題材にした絵もシャセリオーこう描くのかと思われる独特の視線が感じられる。師アングルから離れたことも原因の一つか。

 アフリカ旅行後の絵がまた素晴らしい。モローが影響を受けたのがよくわかる。エキゾチックだけでなく、植民地生まれのシャセリオー自身が惹かれたであろうアフリカの空気を表している。古典主義、ロマン派を経て独特の個性を描いた彼の作品は同業の画家達に影響を与えただけでなく、公共の場を飾った壁画の注文が相次いだことでも時代の求めにも合致したのであろう。

 素晴らしい技術と、絵のモデルやモチーフへの独特な視線、主張しすぎない個性、37歳での夭折が残念だ。