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突撃!アラブストリート

 スルタン・モスクに通じる道を行けば必ず辿り着くとされるアラブストリートは、ムスリムの人々が主に住んでいる地域である。早朝やお昼、夕方など決められた時間になると信者への礼拝のお知らせ代わりにアザーンが朗々と響く。ムスリムの男性はトルコ帽に似た帽子を頭に戴き、女性はヒジャブ等で髪と肌を覆ってそれぞれの性別に応じた部屋で祈りを捧げる。店と曜日によってはその時間は閉店してしまうから徹底されている。お正月やお盆でもお店を閉めない日本に慣れた身には些か不便だが、それはムスリムの敬虔さの現れだと思う。

 開いているお店で中東の料理を頂き、パセリを主体にしたサラダの美味しさとパセリの柔らかさに瞠目した。日本では飾り物扱いで結構固いパセリだが、柔らかい葉を大量にサラダに使うと爽やかな逸品になるということを初めて知った。羊の二の腕を食らいながらもしゃもしゃとサラダを食べると、羊肉が身体を温めてパセリが日光のダメージを修復してくれるのが実感できた。レバノンやトルコの料理を食べられたのはとてもラッキーだった。ホテルから歩いて行けるので、滞在中はアラブストリートに日参する勢いだった。

 トルコのランプやペルシャ絨毯、ムスリム女性の衣装など観て歩くだけでも楽しい。ランプを買って帰ろうと思ったが、あまりにも重いので断念した。次にシンガポールに行くことがあったらその時は重量を考えて購入しようと思う。

 思った以上にベリーダンス関係のアイテムは見当たらない。専門店があるという情報をキャッチし、そこに行ってみたがお店らしき雰囲気はなかった。シンガポールと雖もやはりマレーの国、あれこれJam karet tida apa apaなのだろうか?クアラルンプールのアラブストリートとはまた違った雰囲気で楽しめたが、このいい加減さには吃驚した。これは、帰りの台北でいつものお店に行くしかあるまい……。

 せめて衣装の上に着るガラベーヤだけでも買いたいと思い、改めてうろうろした。頭から被るタイプは髪飾り等に引っ掛かって好ましくないので、前が全開になるデザインの物がいい。何処を見ても被るタイプが主流で難しい。且つ、ガラベーヤと言うと通じないのでアバヤと言うよう気を付けた。何軒も覗いては諦め、日差しと暑さでよれよれになって辿り着いたAlladinというお店でやっとそれらしいタイプを発見した。

 女性スタッフしかいないお店で気が緩んだのか、ついマレー語で前がフルオープンなアバヤある?と聞いてしまった。汗塗れで入って来た何もかもが怪しいオンナに退き気味だった女性スタッフがにっこりとマレー人独特の人懐こい微笑みを見せて「ありますよ〜^ ^」と答えてくれた。エアコンの風がよく当たる場所を勧められ、「黒と青とグレーがあるけど、貴女は黒がいいわね。でも、本当はきっと赤が似合う筈!」と断言された。よ、よくお分かりで……。

 「貴女が放つオーラや雰囲気は、絶対に赤が似合うのよ!でも、赤のがないから、今ある3色の中なら黒にゴールドの縁があるタイプがいいと思うの」ははぁ。「裾は長いから適当に切って直してね。で、何処から来たの?」日本です。「?!」日本です。「本当?!ジョホールバルシンガポールに住んでいる日本人じゃないの?」ないです。「でもマレー語喋れるよね?!」それはインドネシア語と似ているからです。「インドネシアに住んでいたことがあるの?」うんにゃ。

 女性スタッフは吃驚しながらも「私達の言葉を普通に話せる日本人に初めて会った!凄い!だから、おまけしてあげるね♪」と只でさえ半額になっている商品なのに更に割り引きした上、冷たく冷えたライチジュースを下さった。悪いと思ったので別の赤いアバヤとヒジャブも買ったが、それらも割引されてしまい、何だか申し訳なくなった。「ご親切に有り難う。アッラーのお恵みが常に貴女と共にありますように」と伝えて辞したものの、いつも何処でも何方でもおまけを貰ってしまうのは如何なものかと少し反省した。

 リトルインディアにあるムスタファセンターでベリーダンスに使える青いアクセサリーを見つけた。日本のほぼ半額だが、そこはインドクオリティー。石が取れていたりするので修繕しなければならない。何より困るのがピアスしかないことである。私の耳にはピアスホールがないので、これをイヤリングかイヤーフックにしないといけない。でも、白と青で統一したい演目があるので修繕ありきで買ってみた。また先生にお目に掛けてご指示とアドバイスを頂かないと……。